壁面緑化とは?

壁面緑化成功のためのポイントや
施工上の注意点などをご紹介

石造やレンガ造の建物の壁面をヘデラ(アイビー)やナツヅタなどのつる植物で緑化することは古くから行われてきました。2000年代に入ってからは、様々な補助資材を用いて壁面緑化を行うことが主流となっています。

このページでは 最新の壁面緑化についての基礎知識や壁面緑化の計画~施工~管理までご紹介いたします。

壁面緑化の効果

近年、地球温暖化やヒートアイランド現象をはじめとする、環境悪化が問題となっていることはご存じの通りですが、ヒートアイランド現象に効果的といわれる、壁面緑化に注目が集まっています。この項目では壁面緑化を採用する事で見込める「6つの効果」についてご紹介します。

効果①:ヒートアイランド現象の緩和

都市のビル群のほとんどは無機質なコンクリートのため、太陽の熱により蓄熱が発生し、ヒートアイランド現象が起こりやすくなっています。壁面緑化を敷設することにより日射エネルギーを葉面で受け止め、潜熱を促し、大気の温度上昇を抑制、ヒートアイランド現象の緩和に貢献します。

効果②:省エネルギー効果

壁面緑化を敷設することにより、顕熱を防ぎ、室内の温度上昇を抑制いたします。
これによりエアコンの消費量が減ることで省エネルギー効果が期待できます。

効果③:景観の向上

壁面緑化がされているビルや商業施設などは、都市の美観の向上に貢献しています。
最近では様々な壁面緑化システムが開発され、個性的でデザイン性の高い壁面緑化が増えてきています。

  • 施工事例

    施工事例

  • 施工事例

効果④:生物多様性の確保

壁面緑化も生物の生息空間として貢献しています。植物の花や実も、都市に生きる昆虫や鳥にとって大切な栄養補給処となっています。また、生物の休息空間としても機能を発揮、生物多様性の確保として壁面緑化は大きな貢献をしています。

効果⑤:宣伝・集客効果・企業イメージの向上

壁面緑化は限られた場所からしか見えない屋上緑化とは異なり、都市の中で大きな視覚的要素となることが多いです。 美しくデザインされ、管理された壁面緑化は、魅力的な建物だけでなく、魅力的な街並みを形成することにもつながり、宣伝・集客の効果、そして企業イメージの向上が期待できます。

  • 宣伝・集客効果の事例

    宣伝・集客効果の事例

  • 企業イメージの向上を目的とした事例

    企業イメージの向上を目的とした事例

効果⑥:騒音対策

緑化基盤材の種類によっては、低周波数域を除くと、道路の防音壁などに使用されている厚さ50mmのグラスウールとほぼ同等の吸音性能を持つものもあります。

壁面緑化の計画/設計上のチェックポイント

壁面緑化を計画する場合は屋上緑化と同様に、前提条件・緑化目的・設置位置・管理条件などを把握して緑化計画を立てる必要があります。

【チェックポイント①】法的規制の把握

壁面緑化を計画する場合は建築基準法、消防法等を改めて確認し、安全、避難、防災、近隣等に十分配慮しなければなりません。

居室の必要採光基準の順守

建物によっては、その部屋の用途ごとに最低採光面積の規制基準があります。壁面緑化をすることで、これを下回ることのないようにしなければなりません。

避難・消防用通路の確保

法規制の対象となる例は以下の通りです。

  • 火災時の消防活動用に指定された開口部の場合、消防活動に支障をきたす壁面緑化
  • 建築基準法35条対象建築物(例えば学校、集合住宅、百貨店等)に対する避難用通路幅1.5m(緩和条件を満たせば90cm)以上確保できないような壁面緑化

延焼の恐れのある部分への対応

防火地域・準防火地域及び密集市街地域においては、隣地境界線並びに道路中心線から5m以下の場合、基準部材に防火性能を有したものを用いなければなりません。

対象自治体の緑化面積算出方法の把握

屋上緑化の義務化を行っている自治体では、義務化面積に壁面緑化の面積を算入することができるケースがあります。ただしその基準や算出方法は各自治体により異なります。また助成制度等を設けている自治体もあるので、計画の際には最新情報を入手して進めるようにすると良いでしょう。

【チェックポイント②】壁面緑化工法の選択

壁面緑化工法の選択にあたっては、緑化目的・設置位置・デザイン性・コスト・維持管理体制などを総合的に考慮する必要があります。

【チェックポイント③】どのような工法を使いますか?

壁面緑化の計画/設計上のチェックポイント ~室内緑化の場合~

室内緑化を計画する際にもいくつかポイントがあります。

【チェックポイント①】環境条件の確認

光環境

照度に関しては、緑化範囲全体に対して観葉植物の場合800~1000ルクス以上の確保を目安として計画を立てると良いです。その際には、ランプ波長特性/光の拡散といった光源の特徴も踏まえておくと良いでしょう。光の照射時間も重要で、弱い光を長時間充てることで生育を可能にする場合もありますが、植物によっては16時間以上の照射では生育が悪化してしまう樹種もあるため、慎重に植物選定をする必要があります。

水環境

室内の壁面緑化でも水やり方法を検討する必要があります。また、室内という場所柄、かん水や排水による床の汚れや漏水には十分配慮する必要があります。

風環境

空調の吹き出し口の近くでは、乾燥による葉の傷みや強風による生育不良が発生してしまう危険があります。ただし無風に近い状態も蒸れによって病虫害が発生しやすくなり生育不良の原因となってしまいます。

基盤環境

基盤は保水・排水性共に優れているものを採用すると良いでしょう。

【チェックポイント②】植物の選択

照度が低く、温度が安定している室内環境では、一般的に観葉植物が多く用いられています。
ただし最近の傾向として、風除室のような外気に接する室内での計画も増えていることから、実際に設置を計画する場所の環境条件を検討した上で、どのような植物が適しているのかを判断する必要性があります。

壁面緑化の維持管理について

壁面緑化を導入した後は、維持管理も重要になります。美しい景観を保つためにも適切な管理と植物の生長を促す必要があります。

壁面緑化のメンテナンス内容については、一般的な平面への植栽の管理内容と基本的には変わりません。但し壁面の植栽は平面よりも植物にストレスを与えやすいため、定期的な点検を行い、適切な時期での管理を行なうことが重要です。

かん水は自動かん水が基本ですが、給水源の管理を含め、かん水確認管理が必須です。

  • 梯子を使った剪定

    梯子を使った剪定

  • 高所作業車での剪定

    高所作業車での剪定

ユニット型の管理スケジュール例

かん水
自動かん水装置によるかん水制御
推奨回数...自動
備考...かん水管理システム導入
巡回点検
植物の生育状況、かん水設備等の確認
推奨回数...年4回
備考...基盤材の湿潤状態、植物の健全性を目視により確認
かん水
かん水装置の点検
推奨回数...年2回
剪定
伸びすぎた植物の刈り込み
推奨回数...年2回
備考...求める美観の程度により実施回数を設定
除草
雑草、枯葉の除去
推奨回数...年2回
備考...点検時の状況により実施回数を設定
施肥
肥料を与えると植物の生長が安定
※かん水コントローラの中には予め液肥を希釈してかん水を行うものもあります。
推奨回数...年2回
液肥3000倍位
備考...肥料原液補充
消毒
病害虫予防の薬剤を散布
推奨回数...年2回
備考...病害虫の発生時に適宜実施
補植
枯死植物などの植え替え
推奨回数...適宜
備考...有償での交換

→ 表は右にスクロールできます

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
循環点検
かん水
剪定
除草
施肥
消毒
補植

ワイヤー型(プランター等、人工地盤に植栽した場合)の管理スケジュール例

→ 表は右にスクロールできます

作業内容 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 備考
定期巡回・点検 適宜※1
整技剪定・誘引 ※1
施肥(追肥)
除草・清掃
病害虫対策(消毒)
かん水設備の点検
コントローラ設定切替
※2
かん水頻度(回/週) 2回 3~4回 4~7回 3~4回 2回 ※3
排水溝・ドレンの点検・清掃

●:実施作業 ▲:必要な場合のみ作業

※1:壁面の高さや条件によっては、高所作業車等が必要です。
※2:ストレーナの清掃を年1~2回実施、コントローラが電池式の場合は電池交換を実施してください。コントローラが年間タイマー式の場合も、植物の被覆状況に応じて潅水量の調節を行ってください。寒冷地では、冬季は配管内の水を抜いておく必要があります。
※3:壁面緑化面積1m2当たり1回の潅水量の目安 南面・西面=2~3リットル、東面・北面=1~1.5リットル
※4:施肥は、葉色が淡く、生長が鈍くなってきたときに実施してください。
※5:散水設備がない場所では、散水車やタンク等が必要です。
(注):長期管理においては、植栽基盤内の根切り及び土の入替え、潅水チューブの交換などを数年に1回実施

ワイヤー型(自然地盤で地面に植栽した場合)の管理スケジュール例 

→ 表は右にスクロールできます

作業内容 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 備考
定期巡回・点検 適宜※1
整技剪定・誘引 ※1
施肥(追肥) ※4
除草・清掃
病害虫対策(消毒)
散水
(無降雨日数が右記の期間続いた場合)
15~20日 10~15日 7~10日 10~15日 15~20日 ※5

●:実施作業 ▲:必要な場合のみ作業

※1:壁面の高さや条件によっては、高所作業車等が必要です。
※2:ストレーナの清掃を年1~2回実施、コントローラが電池式の場合は電池交換を実施してください。コントローラが年間タイマー式の場合も、植物の被覆状況に応じて潅水量の調節を行ってください。寒冷地では、冬季は配管内の水を抜いておく必要があります。
※3:壁面緑化面積1m2当たり1回の潅水量の目安 南面・西面=2~3リットル、東面・北面=1~1.5リットル
※4:施肥は、葉色が淡く、生長が鈍くなってきたときに実施してください。
※5:散水設備がない場所では、散水車やタンク等が必要です。
(注):降雨が当たらない場合は、上表「プランター等の 人工地盤 に植栽した場合」を参照してください。

共同カイテックの強みと製品ラインナップ

共同カイテックの強み

製品の販売だけではなく、豊富な実績で当社の専門スタッフが提案から施工までワンストップでサービス提供を行っています。そんな共同カイテックの壁面緑化を採用するメリットをご紹介します。

企画提案から施工、維持管理までトータルでサポート

  • コスト管理

  • 図面作成

  • 施工管理

  • 技術的なサポート

  • デザインやレイアウト

  • 植栽提案/選定

  • 壁面緑化の付帯設備

  • 適切な製品提案/選定

  • 適切なメンテナンス提案

専門部隊による責任施工

共同カイテックは製品の販売だけではなく、ご発注をいただきましたら、専門部隊による責任施工を行います。提案からはじまり、お引渡しまで、ワンストップで製品に関わる様々なサービスを提供しています。

導入後の維持管理もサポート

適切な内容のメンテナンスが行われなければ建物の資産価値にも影響を与える事態になりかねません。そこで当社の緑化製品をご採用いただいたお客様に、末長く当社の製品をご利用いただくため、各種メンテナンスのサポートを行っています。

製品ラインナップ

共同カイテックでは、ユニット型・プランター型・登はん型の壁面緑化用商品を取り揃えております。詳しくは製品詳細ページをご覧ください。
デザイン性やコスト、メンテナンス面など、ご要望に合わせた商品をご案内しますので、導入をご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。

ユニット型(パラビエンタ)

薄型の枠に緑化ユニットをはめ込む形でつくる壁面緑化システムです。
軽量でコストも低く、壁面温度の抑制効果があります。緑化ユニットを自由に移動・交換することができるので、デザイン性が高く、多様な植栽が可能です。

登はん型(のぼるtoみどり)

のぼるtoみどりパネル

付着型つる植物を用いたパネル式の壁面緑化システムです。樹種は、常緑のヘデラ類を主体とすることで剪定管理を省力化することができます。1基あたりの重量が軽く、壁への負担が最小限に抑えられるため、既存の構造物にも取り付け可能です。

のぼるtoみどりワイヤー

つる植物を用いたワイヤー式の壁面緑化です。テンション調整材がワイヤーの伸びを自動吸収するので、安全性も向上します。木本類のつる植物を利用することで、緑地面積として算入できます。

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